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データサイエンス

AIが普及することのメリット・デメリットとは?生活はどう変わっていくのか

くるみる

くるみる

ベンチャーにてweb制作から機械学習まで幅広い分野を担当、その後、都内IT大企業にてデータサイエンティストとして現在勤務中。 エンジニアリングの知識を持ったビジネスマンになりたく、企画も奮闘中。 TOEIC885点。統計学。機械学習。

未経験くん
AIが話題になっているけど、AIが普及した後の世界には、どんなメリットとデメリットがあるの?

上記の疑問を持った人に向けての記事です。

AIが普及することのメリットは大きいです。

しかし、少なからずデメリットも存在します。

今回は、AIが普及することでどんなメリットを受けることができて、どういったデメリットが発生する可能性があるのかということを解説していきます。

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AIとは

AIとは、artificial intelligenceの略称で、日本語で表すと人工知能になります。

人工的に作られた知能ということです。

しかし、現在のAIはドラえもんなどにイメージされるような自分で考えて動く全自動ロボットのような知能は備えていません。

AIの定義は研究者によっても様々です。

以下が定義の一例になります。

溝口理一郎(北陸先端科学技術大学院)

人工的に作った知的な振る舞いをするもの(システム)である。

出典:松尾豊「人工知能は人間を超えるか」(KADOKAWA)p45

松尾豊(東京大学)

人工的に作られた人間のような知能、ないしはそれを作る技術。

出典:松尾豊「人工知能は人間を超えるか」(KADOKAWA)p45

これを見ると、AIは、人工的に作った、知的な振る舞いをするシステムやそれを作る技術と言えるでしょう。

具体的には、以下のようなものがあります。

技術名内容
音声認識人間が音を鼓膜で聞いてから、何をいっているのかを解読するまでのシステムを実現する
画像処理人間が光を網膜で認識し、なんの物体がそこにあるのかを解読するシステムを実現する
自然言語処理人間が文字を認識してから、どういう意味があるのかを理解するシステムを実現する
時系列予測人間が数値の変化を認識して、今後どういうように数値が変化していくのかを理解するシステムを実現する

AIとは、こういったそれぞれのシステムの総称です。

もう少し発展して、ドラえもんのようなシステムが出てきた場合は、そういったなんでもできるものを指してAIというようになるのかもしれません。

しかし、現在は上記の表のような、特定の行動に特化したシステムのことをAIとして読んでいる場合が多いです。

AIのメリット

カラフルな棒グラフを人が登っている

AIのメリットを順に解説していきます。

個人の特性に合わせたサービスの提供

AIを使うと個人に合わせたサービスを提供することができます。

amazonなどを想像していただけるとわかりやすいです。

amazonでは、個人の視聴履歴や購入履歴を元に、おすすめの商品を出してくれます。

AIができる前であれば、一度見た商品がもう一度おすすめされたり、同じ商品がずっとおすすめされているという状態になっていたでしょう。

しかし、AIを使うことで、様々な個人に合わせた商品をおすすめすることができるようになりました。

まだまだ改善の余地はあるかと思いますが、おすすめされる商品が全く見当違いであるといったことも減ってきたように感じます。

データとAIがあれば、個人に合わせた精度のいいレコメンドが実現できるのです。

未来の予測が精度高く行える

AIを使えば、近い未来を予測することができます。

例えば、店舗の売り上げなどを予測することができます。

今までの売り上げと、曜日や近くのイベントなどの情報をAIに読み込ませることで、未来の売り上げを予測することができます。

これにより、飲食店などでは、シフトに何人入れるのかや仕込みをどれだけするのかなどを、決めることができます。

また、株価の予測なども行うことが可能です。

完全に予測するということは現状の技術では、不可能ですが、利益を上げる手助けとなるようなAIであれば、実際に企業でも使われているようです。

株価予測には、時系列予測や強化学習などの手法が使われることが一般的です。

興味があれば、調べてみるのもいいかもしれませんね。

作業時間の削減

AIを導入することで単純な作業の作業時間が削減できます。

例えば家計簿管理などです。

今までは、家計簿をつけようと思ったら、レシートの内容を家計簿に書き込む必要がありました。

しかし、画像処理というAIの技術を使うことで、わざわざ家計簿に書かなくても、レシートの写真を撮るだけで家計簿をつけることができるようになっています。

写真を一枚とるだけでいいので、楽ですね。

文字を書く時間を考えると、作業時間が大幅に削減されています。

最近では、食事管理もAIでできるようになりました。

まだまだ、間違えることもありますが、食事の写真を撮るだけで、料理の名前やカロリーなどが計算できるようになりました。

これらを自分で書き込もうとするととても時間がかかるので、簡単に食事管理ができるのがいいですね。

ミスの予防

AIによってミスの検知や予防ができるようになります。

例えば、農業などでは形が普通ではない野菜などを分類するために、AIの技術を使っています。

今までは、野菜を出荷するにあたって野菜が変な形をしていないかを見分けるには、人が一つ一つ野菜を見ていって、変な形のものがないのかを調べていました。

しかし、AIを導入することで、変な形をしている可能性のある野菜だけをピックアップし、そしてそれを人が変かどうかを判断するという流れになっています。

これにより、変な形の野菜を見逃すというリスクを大幅に減らすことができました。

この他にも、文法ミスなどを発見してくれるAIなどが開発されており、人が見逃してしまいがちなミスなどもAIで検知することで減らしていくことができます。

こういった同じ動作を繰り返す単純作業はAIに向いています。

人間がやるとどうしても集中力が切れてしまって、見逃してしまうことがあるので、こういった作業はAIが発展していくとどんどんAIで代替するようになるかと思います。

他言語の理解が進む

AIを使うと母国語でない文章が簡単に読めるようになります。

google翻訳を想像していただくとわかりやすいでしょう。

自然言語処理という分野によって、AIで翻訳をすることが可能になりました。

翻訳の精度は年々上がってきていて、現在の翻訳では意味がわからない部分はほとんどないというぐらいにまで、自然な翻訳になってきています。

最近では、AIの学習をスペック高いもので行うと、翻訳の精度がどんどん向上するというような研究結果も出てきており、ネイティブと遜色ないような翻訳ができるという世界が来るのもそう遠くないかもしれません。

外国の情報がすぐに手に入ったり、海外旅行で簡単に外国人と話すことのできる世界がもうすぐそこまで迫っているのかもしれません。

AIのデメリット

3匹のハロウィーンの小さいお化け

AIの普及は社会全体として見たら、プラスですが、もちろん一部デメリットがあります。

単純作業の雇用が減る

AIの普及によって単純作業の雇用が減ると言われています。

AIは決まったルールのある行動を得意としています。

そのため、ルールやマニュアル化しやすい単純作業は今後AIに代替されていくことが予想されます。

実際に、Amazonが「Amazon Go」という無人コンビニサービスを提供し始めており、コンビニの店員という仕事がAIによって代替され始めようとしています。

こういった流れは、他の仕事でも起きることが予想されます。

もちろん、全ての仕事が代替されるというわけではないですが、AIによって代替される仕事も今後いくつも生まれてくるということは念頭に置いておいた方が良いでしょう。

詳しくは以下の記事で解説しているので、興味のある方は参考にしてください。

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AIの動きが完全には予想できない

AIは中身がブラックボックス化されていることが多く、どういった挙動をするのかが完全に理解できないというところがデメリットとしてあげられます。

ここで勘違いしないで欲しいのですが、AIが暴走し出して人間を支配する、みたいな話をしたいのではありません。

現在の技術では、AIが意思を持つといったところまで、技術が発展していないので、AIが感情を持ち出して、人間を支配する危険があるというのは、直近はあり得ません。

そうではなく、AIの動きというものが人間がルールベースで決めたものではないが故に、一部の状況ではうまく動作しない場合があるといった話です。

例えば、自動運転を例に説明していきましょう。

自動運転では、車の周りの様々な情報(前後の車との距離、白線の位置、地図情報、等)をセンサ情報として、取得してそれをAIに読み込ます。

この情報を元に、AIが加速減速、ハンドルを切るなどの動作を自動にしてくれます。

これは多くの場合では、うまく機能します。

しかし、AIによって学習した状況ではない状況に遭遇した時に、AIが判断を間違える危険性があります。

例えば、大量の鳥が車の周りを飛んでいて車のセンサがうまく作動しなかったり、たまたま、雪を白線と認識し間違えたりと、ほとんど起きることはない状況においては、AIが判断を間違える時が、あります。

AIは、汎用的なケースにおいては強い精度を発揮しますが、個々のイレギュラーなケースには強くないのです。

もちろん、こういった事故が無いように自動運転の学習などは、日々進歩しています。

ただ、一般論として、AIは大抵の部分ではうまく動作するが、一部のイレギュラーな場面では、動作が予測できないといった事実は覚えておくと良いでしょう。

AIといえども万能ではないのです。

活用できる人材が少ない

AIを活用できる人材はまだまだ少ないです。

そのため、このままAIの普及が進んでいくと、AI化したいのにAIエンジニアが足りないからAI化できないといった事態が起きてきます。

経済産業省の調査では、2030年にAIエンジニアは14.5 万人不足すると出ています。

参考:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

AIエンジニアの需要はこれからもどんどん伸びていくことが予想されるので、そこに対して供給が少ないというのは問題ですね。

ですので、もしAIエンジニアに興味があるという方は、今後必要とされるAIエンジニアを目指してみることで、AI社会を支えることができ、さらに社会に必要とされる人材として給与も高く仕事ができます。

AIが普及する様々な分野

25個の丸いアイコン

AIは今や様々な分野に普及してきています。

一昔前までは、特定の分野でしかAIが活用されていなかったイメージですが、最近ではAIが多くの分野に活用され始めています。

AIが普及した世界をイメージするためにも、いくつかの分野での活用事例を紹介していこうと思います。

医療

医療の世界でもAIは活用され始めています。

例えば、画像からがんを検出するAIの研究が行われています。

これは医療画像の増加により、医師が医療画像をみる負担が大きいという課題に対して、AIが解決法を提示している研究です。

具体的には、AIが医療画像を読み込みがんの可能性がある画像を摘出します。

その後医師はこのAIの結果も踏まえて、がんかどうかを判断することで、がんを見逃す確率を減らすことができます。

現在は医師なしで、AIだけでこの検査を行うということは難しいですが、今後AIでサクッとがんの検診ができる世界が来ると嬉しいですね。

タクシー

AIはタクシーの配車予測にも使われています。

これは、AIによってタクシーの乗客が多そうなエリアを予測することで、タクシーが効率的に乗客を乗せることができるというものです。

具体的には、各地域のリアルタイムの人流のデータを元に、タクシーの乗客が多そうなエリアを算出し、それをタクシーの運転手に伝えるというものです。

このタクシーの配車予測によって、1日の売り上げが20 %程度上昇したという結果もあり、AIの凄さがわかりますね。

タクシーに乗りたいのに、近くにタクシーがいない。

タクシー配車アプリを開いたけど、近くにタクシーがいない。

そんな悩みが解決されるのも時間の問題ですね。

翻訳

先ほどもちらっと説明しましたが、他国語の翻訳にもAIの技術が使用されています。

Google翻訳の精度は年々上がってきており、10年前であれば、日本語から英語に翻訳すると、結構な修正が必要な英語が出てきていましたが、最近では修正は必要なものの、不自然さの少ない英語が結果として出てくるようになりました。

学習のためにお金を無限に注ぎ込むと、翻訳の精度が無限によくなっていくといった研究結果も発表されており、今後も精度の向上が見込める分野であることは間違い無いです。

海外旅行や仕事での、海外の人との会話が、英語技術の習得の有無に関わらず、ストレスなくできるようになるという世界が来ると嬉しいですね。

工場

AIは、工場でも積極的に活用されています。

例えば、不良品検知のためにAIが使われています。

工場での作業の一つに不良品を見つけるというものがあります。

今までは、人が目視や必要であれば実際に触ったりして、不良品が無いかどうかを確かめていました。

それがAIの画像処理という技術を使うことで、製品の画像から不良品が見つけられるようになってきています。

もちろん、まだまだ人が点検する必要のある作業もありますが、今後はAIによってこういった検査などの作業は代替されていくことが考えられます。

エンタメ

エンタメにおいても、AI使用の波はきています。

代表的なのが、Netflixです。

Netflixが流行った理由の一つとして、AIによるレコメンドの精度が高いということが挙げられます。

Netflixでは、優秀なデータサイエンティストを雇い、映画やドラマ、アニメなどのおすすめを個々人の趣味に合わせてできるように、努力してきました。

これにより、Netflixでは、個人が好きなコンテンツがおすすめされます。

個人的には、レコメンドの精度はかなり良いなと感じています。

こういった人によって、趣味嗜好が分かれるエンタメ分野では、個人に合わせてサービスを展開していくという必要があります。

AIは個人に合わせたものを提供することが得意なので、エンタメ分野にマッチしていると言えるでしょう。

まとめ

AIは今後どんどん普及していきます。

これによって、受けるメリットは大きいですが、少なからずデメリットも存在します。

単純作業はAIによって代替されていき、AIにまつわる仕事の需要がどんどん伸びていきます。

個人的には、AIに関わる人材が増えていって、もっとAIを使って面白いことのできる世の中になっていけばいいなと感じています。

AIエンジニアは年収も一般の職に比べれば良い方であるので、AIエンジニアになりたいという方が増えれば嬉しいです。

そして、AIでもっと面白いことを色んな人と作り上げていけたらいいなと思っています。

AIに興味が出た方は以下のような講座もあるので、興味がある方はぜひ見てください。

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